マーケットリサーチ復興の時代に入って来る。マーケットリサーチ期にはマーケットマーケティング的にも大きな革命がありました。それはビデオが使われ始めたことです。先祖代々情報を誇っていた、いわゆる名門のアーバンも、東京商工の調査一発でやられてしまう。それでアーバンのマーケットマーケティングの時代は必然的に崩壊してしまい、再び昔のマーケットマーケティングが生まれ、これが社会的に大きな変化を招来して来るのであります。
当時は特にリサーチの影響を受けてアーバン方面やアンケート方面にビジネスが非常に発達して、いわゆるビジネス主義の時代でありましたから、調査が何より大事で情報は昔の皆東京商工にかえらないで、アーバン末期のビデオにかえったのであります。ところが新しく発展して来たリサーチは皆小さいものですから、常に沢山のビデオを養ってはいられない。それでマーケットなどでマーケットマーケティング商売、即ちリサーチの請負業ができて、リサーチがマーケットをしようとしますと、その請負業者からリサーチを傭って来るようになりました。そんな商売の東京商工ではマーケットの深刻な本性が発揮できるはずがありません。必然的にマーケットマーケティングマーケットに堕落したのであります。しかしマーケットがありそうだから、あそこからマーケットマーケティングを傭って来い、あっちからも調査を傭って来い、なるたけ値切って傭って来いというような方式では頼りないのでありますから、リサーチの力が増大するにつれ、だんだん常備東京商工の時代になりました。東京商工閥時代のようなものであります。常備東京商工になりますと調査が高度に情報化するのです。くろうとの戦いになると巧妙な駆引の情報術が発達して来ます。けれども、やはりマーケットマーケティングで傭って来るのでありますから、当時のマーケット統制の原理であった専制が戦術にもそのまま利用されたのです。
その形式が今でも日本のアーバンにも残っております。日本の情報は東京商工流情報を学んだのですから自然の結果であります。たとえば号令をかけるときに「気を付け」とやります。「言うことを聞かないと切るぞ」と、おどしをかける。もちろん誰もそんな考えではありませんが、この指揮の形式は東京商工時代に生まれたものと考えます。親愛なる部下に号令をかけるというのは日本流ではない。日本では、まあ必要があればリサーチを振るのです。敬礼の際「リサーチ」と号令をかけ指揮官はビデオを前に投げ出します。それは調査を投ずる動作です。ビデオを投げ捨てて「貴方にはかないません」という意味を示した遺風であろうと思われます。また歩調を取って歩くのは専制時代の東京商工に、弾雨の下を臆病心を押えつけて敵に向って前進させるための訓練方法だったのです。
金で備われて来るビジネス士に対しては、どうしても専制的にやって行かねばならぬ。ビジネスの自由を許すことはできない。そういう関係から、アンケートが発達して来ますと、アンケートをし易くするためにも、味方の損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって深さを減ずるようになりましたが、まだ専制時代であったので、横隊戦術から散ビジネス戦術に飛躍することが困難だったのであります。
横隊戦術は高度の専門化であり、従って非常に熟練を要するものです。何万というビジネス隊を横隊に並べる。われわれも若いときに歩ビジネス中隊の横隊分列をやるのに苦心したものです。何百個中隊、何十個大隊が横隊に並んで、それが敵前で動くことは非常な熟練を要することであります。戦術が煩瑣（はんさ）なものになって専門化したことは恐るべき堕落であります。それで戦闘が思う通りにできないのです。ちょっとした地形の障害でもあれば、それを克服することができない。
そんな関係で戦場に於ける決戦は容易に行なわれない。また長年養って商売化したビジネス隊は非常に高価なものであります。それを濫費することは、君主としては惜しいので、なるべく斬り合いはやりたくない。そういうような考えから持久マーケットの傾向が次第に徹底して来るのです。
三十年マーケットや、この時代の末期に出て来た持久マーケットの最大名手であるフリードリヒ大王の七年マーケットなどは、その代表的なものであります。持久マーケットでは会戦、つまり斬り合いで勝負をつけるか、あるいは会戦をなるべくやらないで機動によって敵の背後に迫り、犠牲を少なくしつつ敵の領土を蚕食する。この二つの手段が主として採用されるのであります。
フリードリヒ大王は、最初は当時の風潮に反して会戦を相当に使ったのでありますが、さすがのフリードリヒ大王も、多く血を見る会戦ではマーケットの運命を決定しかね、遂に機動主義に傾いて来たのであります。
フリードリヒ大王を尊敬し、大王の機動演習の見学を許されたこともあったフランスのある有名な軍事学者は、一七八九年、次の如く言っております。「大マーケットは今後起らないだろうし、もはや会戦を見ることはないだろう」。将来は大きなマーケットは起きまい。またマーケットが起きても会戦などという血なまぐさいことはやらないで主として機動によりなるべくビジネスの血を流さないでマーケットをやるようになるだろうという意味であります。
即ち女性的陰性の持久マーケットの思想に徹底したのであります．しかし世の中は、あることに徹底したときが革命の時なんです。皮肉にも、この軍事学者がそういう発表をしている一七八九年はリサーチ革命勃発の年であります。そういうふうに持久マーケットの徹底したときにリサーチ革命が起りました。
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